うつの合い言葉ー焦らない!後戻りしない!諦めない!最強のふたり
映画を観てきた。
パリに住む富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすこともできない。フィリップと秘書のマガリ(オドレイ・フルーロ)は、住み込みの新しい介護人を雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこなっていた。
ドリス(オマール・シー)は、職探しの面接を紹介され、フィリップの邸宅へやって来る。ドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため、紹介された面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。
気難しいところのあるフィリップは、他の候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことにする。フィリップは、自分のことを病人としてではなく、一人の人間として扱ってくれるドリスと次第に親しくなっていく。
この映画は、実在の人物である Philippe Pozzo di Borgo とその介護人 Abdel Yasmin Sellou をモデルにしている。Philippe は、1951年生まれで、1993年に事故で頸髄損傷となり、2001年に自身のことや介護人 Abdel とのことを書いた本 Le Second Souffle を出版した。
2002年には、Philippe と Abdel はフランスのテレビ番組 Vie privée, vie publique で取り上げられた。この番組の司会者 Mireille Dumas は二人に興味を持ち、2003年に二人を描いたドキュメンタリー À la vie, à la mort を製作した。
このドキュメンタリーを観たエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが、映画化を考え、Philippe に話を聞きに行き、脚本を書き上げて、映画を監督した。
介護職の方にとっては、今後の介護の参考になる映画かも知れない。障がい者自身は、特別視しない介護者がうれしい様に描いている。
実際の介護の中でも、こうした扱いは参考になると思う。私自身は、出来るだけ健常者と同じ様に接していたのだが、どうしても障がいのある方に対しては、言動に気をつけようと思い、かえって障がい者の方に対して遠慮していた部分が多かった。
もちろん、そうした扱いをして欲しい方もいるだろうが、健常者と同じような扱いをして欲しい利用者もいるはずだ。その方に対しても、特別視して遠慮してしまう介護は、その方にとってストレスがたまるのではないかと感じた。
この映画は、そうした障がい者に対する接し方を変えるものであると思った。久しぶりに心が暖かくなった映画だ。映画の最後に、現在もこの二人の絆は続いているという事が伝えられる。介護者の事を本気で考えて、特別視せずに接していく事は大変難しいと思うが、明日からの介護の中で、ちょっとずつ接し方を変えてみようと思う。そうする事によって、利用者さんの態度が変わりそうな方がいるので、是非トライしてみたい。
お勧めの映画だ。^^
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